日本法科学技術学会で「東日本大震災における災害救助犬による捜索活動」について口演発表しました。

日本法科学技術学会 第17回学術集会

会長:早川和一理事 (金沢大学)
会期:平成23年11月17日(木)~ 18日(金)
会場:ホテルフロラシオン青山(東京)

東日本大震災における災害救助犬による捜索活動

岩本良二(北東北捜索犬チーム)

Search and rescue dog activities in the eastern Japan great earthquake disaster.

R. Iwamoto
(Kitatouhoku Search and Rescue Dog Team)

【はじめに】

今回の大震災での当チームの行方不明者の捜索活動について報告するとともに,その問題点についても検討したので報告する。

【捜索活動概要】

平成23年3月11日,地震発生直後から災害救助犬団体の一員として,現場出動を試みたが,県などの行政組織内の混乱がひどく,事前に締結の「災害救助犬の派遣に関する協定」が機能しなかった。

結果的に行方不明者の捜索を開始できたのは3月19日で,当チームが災害の最前線である市町村役場などの災害対策本部と直接連絡を取って,災害救助犬の有効性を説明し,ボランティアでの捜索活動要請を受けて出動した。

平成23日3月19日から4月9日の間に10数回岩手県久慈市箱崎町,九戸郡野田村,下閉伊郡山田町,上閉伊郡大槌町,大船渡市,陸前高田市などで,数頭の災害救助犬や捜索犬を使って瓦礫の中の行方不明者の捜索を行った。

結果的に数体の御遺体の発見に貢献したが,生存者の発見には至らなかった。

【今後の課題】

  • 全国に存在する災害救助犬団体相互の情報交換と連携
  • 日本警察犬協会の災害救助犬分野への積極的な参入
  • 災害救助犬に対する国家のサポート

【まとめ】

災害救助犬を効果的に活用するには,現場に早期臨場して捜索を開始することが不可欠である。そのためには,現体制の見直しと改善が急務である。

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