日時
2019年7月6日、7日の2日間 13:00~17:00
場所
東京都武蔵野市境南町1-7-1 日本獣医生命科学大学
受講者
- 成田 道子
- 村田 道子
受講した感想
《 成田道子 》
小雨が降る中、講義室は獣医師や動物看護士、一般の飼い主など様々な参加者でほぼ満席、講師の先生の熱気あふれるお話に聞き入った。
2日間のお話で共通しているのは、とにかく犬を大切にするということ。人間より下の存在として見るなどということは決してしない。生活していく上でのパートナーとして尊重し、お互いに楽しく暮らしていくために、人間(飼い主)はなにをすべきかを、実例を交えながらわかりやすく丁寧に教えていただいた2日間だった。なにをすべきか、といっても難しいことではなく、家に帰ってすぐにできるようなことばかりで、要するに考え方なのだなと感じた。特に印象に残っているのは、マスコミから発せられる間違った情報の話。愛犬の「困った」を5分で直しますというものに感化され、やってみたら犬も飼い主も大けがを負ってしまったという。興味をひくようにいいかげんな放送をしたマスコミにも責任はあるだろうが、大事なのは情報を鵜呑みにしない賢い飼い主になることだろう。なにごとも少しずつ、ゆっくりと時間をかけて進めていくことの大切さは、講師お二人ともが強調していた。あたりまえのことだが、愛犬との絆は一朝一夕でできるものではなく、日々の生活の繰り返しの中で育まれていくものである。時間をかけて少しずつゆっくりと。それは訓練に関しても同じで、訓練の場でも教わっているのに、自分が一番忘れがちなことだなあと反省した。
犬は観察の天才。飼い主も、愛犬のことをよく見て、知識を持って、接してあげなくてはならないと感じた。もちろん自分ではそうしているつもりであったが、案外聞かれると即答できない質問もあり、ミニチュアダックスがどんな特性を持った犬であるのかに関しては全く不勉強だった。においをかぐことが得意で、なにかしらの仕事をあげるとよいということも初めて知った。どんな仕事がいいか…まだ考えつかないダメな飼い主である。 2日目の後半には、老齢期の犬のお話があり、興味深くためになる内容だった。老齢犬への対応は、「刺激のある生活」。一番最後まで残るのは嗅覚なので、宝探しゲームなど、嗅覚を使った遊びは年をとってからでも楽しくできるそうだ。災害救助犬の訓練をしていた時を思い出して、持って来ないまでも探してごほうびを食べられるゲームは、やってみたいと思っている。
いろいろなお話を聞くことで、これからの犬との生活がより楽しく過ごせそうで、また、次回のお話の内容も楽しみになり、期待感が高まっている。
《 村田 道子 》
1日目、矢崎潤先生の「犬との暮らし方学」では、犬をいかに理解するかということを学びました。犬とは上下関係ではなく信頼関係を築くべきで、しつけをするときは人間の子育てと同じで、成功体験によってやる気が高まるそうです。ハンドラーは良い行動をほめる習慣を持ち、スイッチのオンオフを教え、リードを引っ張ったり体罰を与えたりしない。そうすることで、犬はしつけてくれた人のいうことをよく聞くようになるそうです。 また、犬種の違いを理解して犬の生活のニーズを満たしてあげることが犬の幸せにつながることがわかりました。私の相棒は牧羊犬なので、どうしても追いかける行動が出てしまいます。それをおもちゃでうまく解消し、いろいろな人と遊び自分で考えさせる。さらに上を目指せるように毎回同じルーティーンで生活しないように心がければよいようです。犬種によってそれぞれの対応がありますが、快適な住環境があり、十分にエネルギーを発散させ、社会との関わりを持たせてあげることが、すべての犬の共通条件です。 犬を理解することで、犬もハンドラーを理解して信頼してくれるのかもしれないと感じました。
2日目、水越美奈先生の「犬の飼い主学」では、ハンドラーの責任を学びました。 1つは社会的責任です。所有者明示、狂犬病予防注射、排せつ物の処理、リードをつけての散歩、無駄吠えの軽減など、犬が社会で幸せに暮らせるために、ハンドラーには義務があります。当たり前のようなこれらをすべてのハンドラーに周知するのはこれからの課題だと思います。 2つめは犬に対する責任です。食事と水を適切に与え、散歩は安全に行い、不妊去勢手術、予防注射などでの健康管理をしなければなりません。特に散歩は犬にとって大切な習慣で、リード・首輪・ハーネスなど、道具の使い方を誤ると犬にとっても社会にとっても安全ではなくなるので注意が必要だと感じました。老齢期の犬には散歩のコースに変化をつけたり、気温の変化に注意したり、声がけを増やしたり、配慮をしてあげることが必要だそうです。嗅覚は視覚・聴覚より最後まで残る感覚なのでそれを生かした遊び方をしてあげる、ということは忘れないでおきたいです。 犬が社会で心身共に健康で暮らせるように、気づかいできるハンドラーでいたいと思います。
来月には続きの講座がありますが、ハンドラーとしての再確認と新しいことを学ぶ機会として今から楽しみです。
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