【体験報告】行方不明者の発見救助について (青森市)

状況

2016年1月1日元旦、前日に警察と打ち合わせた通りに警察犬の文太とイチゴとともに現地の交番に午前7時に集合しました。当日はみぞれの降る最悪の天候でした。老女が2013年12月31日から行方不明とのことで、行方不明者の着衣と靴から移行臭を採取して捜索を開始しました。
文太が約30分間にわたって、行方不明者の自宅から近くの漁港までの約0.5kmを追跡しましたが発見に至りませんでした。
次いで、不確定な目撃情報が有るということで、約3km離れたその場所まで車で移動し、イチゴが捜索することになりました。
捜索を開始すると、みぞれで溶けかけた不鮮明な雪上足跡にイチゴが強く反応して走り出しました。足跡のない箇所では浮遊臭を基に蛇行しながら追跡し、人気のない雪野原と林に至り、ノーリードでの捜索となりました。
そして、雪の中の浅い川にいきなり入り、川の中を下流に走りだし、川から出て林の中で行方不明者を発見したのです。スタート地点から約1kmの地点で、捜索開始後約45分での発見でした。
老女は雪の上にカッパを被ってうずくまって、苦しそうにうごめいていました。イチゴはその様子に驚いたのか、吠えてアラート(告知)せず、老女の近くに立ち止った状態で、私の方を見て指示を求めていました。
救急車で老女が搬送される様子を見て、胸が熱くなりました。無事発見できて、本当に良かったと思いました。

まとめ

1月22日、イチゴと私は青森警察署長から感謝状を頂きました。私たちの目的である「真に社会に役立つ捜索犬を育てよう!」を実践できて、とても嬉しく思いました。
今回の捜索が成功した理由は2つです。

  • 文太とイチゴの分担がうまく行われ、共に捜索意欲が高い状態を維持できた。(捜索は個人プレーではなく、チームとして複数の指導手と捜索犬数頭が捜索に参加する形態が望ましいと思います。)
  • 行方不明者に関する情報や目撃情報を警察が徹底して収集し、検討活用した。

この事案を糧に、仲間と共にさらに日々訓練を重ね、社会に貢献して行きたいと思います。
(岩本良二)

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