日 時
2020年10月2日(金)午後5時46分ころから5分間
発信者
山口最史 副理事長
内 容
捜索犬~災害時だけではない犬たちの育成~
今年も,九州地方を中心に大雨被害があり,青森も台風シーズンに入りました。大雨による土砂災害時における捜索には災害救助犬として犬たちは活動します。もちろん,地震などの災害時にも捜索活動をしてくれます。
しかし,毎日災害が発生するわけではありません。平時においては,行方不明者を探すこともできる犬たちを私たちの団体では捜索犬として育成しています。今日は,そんな捜索犬について紹介したいと思います。
まずは,災害発生時は,どんな人でも探し出すことが必要となります。災害時には,どこで誰が助けを求めているのかわかりません。そこで,犬たちは人間の1億倍ともいわれている嗅覚を利用し,助けを求めている人を探し出します。特に,土砂災害の場合には,足場も悪く,土砂の中で助けを求めている人達の臭いは地表に上がってきにくいと言われています。それでも,犬たちは,優れた嗅覚をもとに,かすかなにおいを探し出し,吠えて教えてくれます。
そのような捜索活動をすることができるようになるには,数年の練習が必要です。人を探し出して吠えるという練習だけではなく,足場の悪い瓦礫の上,高所のはしご,揺れて不安定な一本橋を歩く練習もします。もちろん,捜索時は,リードと言われる犬と人間をつなぐ紐もはずる必要があるので,人間の指示に従い,立ったり,座ったり,伏せたり,遠方の目標物まで犬だけで行ったりと私たちハンドラーとの絆が試される練習もあります。このような練習をたくさん重ね,活動することができます。何年も練習をし続けなければなりませんので,練習のとき,私たちは犬を叩いたり怒ったりしてはいません。もちろん厳しい訓練もありますが,上手にできたときにはたくさんほめて,犬たちもハンドラーも楽しく練習をしています。
このように練習をし,犬たちは活動するのですが,先ほどお話したように災害時以外でも捜索犬は活躍してくれます。私たちの団体では,災害救助犬の試験だけではなく,青森県警察犬の嘱託試験の捜索部門にも合格できるように練習をしています。警察から要請があると,犬たちは警察犬として,高齢者などが行方不明になった場合,行方不明者の方が使用していたまくらなどを原臭とし,その行方不明者を探すという活動もしています。
このように捜索犬は,災害時には災害救助犬として,普段は行方不明者を探す警察犬として,たくさんの人たちを助けるために活動をし,日々レベルアップを目指し練習をしています。
皆さんが飼われているワンちゃんたちと一緒に活動をしたい方,ワンちゃんは飼っていないけど捜索犬育成活動をしたい方など,私たちと一緒に活動したい方は「北東北捜索犬チーム」までご連絡ください。
以上
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