NHKラジオ第1放送の番組「青森防災ラジオ」で捜索犬についての情報(第2回)を発信しました(青森市)

日 時

平静2020年10月9日(金)午後5時46分ころから5分間

発信者

山口最史 副理事長

内 容

 捜索犬たちのサーチング活動~災害時における関係機関との連携~

 前回は,災害時にも活動する犬たち,捜索犬を紹介しました。災害発生時には,災害救助犬など犬たちだけ捜索活動をすることはできません。そこで,今日は,災害時に犬たちがどのように捜索活動に参加するのかについて,関係機関との取り組みも含め,紹介したいと思います。

 私たちが育成している捜索犬は,災害時においては探索,いわゆるサーチングしかすることができません。せっかく救助を求めている人を探すことができても,助け出す,いわゆるレスキュー活動をすることができなければ,意味がありません。もちろん,その逆も然りで,せっかく高いレスキュー能力をもっていたとしても,助け出す救助者を見つけ出すことができなければ意味がありません。

 捜索犬は救助における「サーチ」と「レスキュー」という両輪の片方である「サーチ」という部分を担ってくれます。サーチ活動には,救助者に呼びかけをする「ヘイリング」や電磁波操作装置などの機械類を使用する「テクニカルサーチ」という方法があります。捜索犬が担ってくれる「ドッグサーチ」は,「どこでも」,「迅速に」,そして「遠隔から指示」をして捜索をする点にメリットがあります。

 このようなドッグサーチを有効に利用してもらえるよう,私たちは災害時を見据え,警察や消防の皆さんと一緒に災害を想定した模擬現場で練習をすることがあります。災害時に一緒に活動をすることになる関係機関の皆さんにドッグサーチや犬たちのことを知ってもらうことで,さきほど紹介したような捜索活動を迅速に,そして有効にできると考えています。ひとたび青森県で災害が発生すれば,私たちの団体の犬たちではなく,全国各地から犬たちは駆けつけてくれます。そのような中で,普段一緒に練習をすることで,関係機関の方々が犬たちをどのように利用し,どのような情報共有をするべきなのかを事前に検討してもらえ,災害時にはそれを生かし迅速に救助活動ができると考えております。そのためにも,共同訓練だけではなく,私たちの団体では,青森県をはじめ,4つの市町村とも災害時における活動協定を締結し,円滑に活動ができるようにしています。

このように,災害時において,より多くの方々を助け出すことができるように捜索犬の育成だけではなく,関係機関とも日常的にコミュニケーションをとりながら,災害時を想定し活動をしています。もちろん,このような活動には,地域住民の皆さんのご理解とご協力がなければ成立しません。今年は,新型コロナの影響から実施することは難しいのですが,コロナが一段落した際には,例年のように捜索犬を身近に感じてもらえるようふれあい活動をしたいと考えております。チームの活動やふれあい活動が再開された際のふれあい場所などはホームページで紹介しています。

 まだまだ,青森県では災害時に活動することができる犬たちは不足しています。私たちの捜索犬も,普段は皆さんのワンちゃんと同じようにお家でペットとして過ごしています。皆さんが飼われているワンちゃんたちと一緒に活動をしたい方,ワンちゃんは飼っていないけど捜索犬育成活動をしたい方など,私たちと一緒に活動したい方は「北東北捜索犬チーム」までご連絡ください。

以上

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